大学時代、体育会の部活に所属していたため時間を取られるバイトをすることは不可能でした。
そんなとき卒業する先輩から家庭教師を引き継いだのが、家庭教師のバイトを始めたきっかけです。基本的には週2日、平日の夜7時から2時間程度、英語と数学を教えました。
時給が他のバイトよりも高く、また時間の融通が効くので、お金を稼ぐという点では非常に効率の良いバイトです。家庭教師を始めた当初は自分もそうした効率の良さが家庭教師の最大の魅力だと考えていましたし、今でも家庭教師先のご家庭には大変お世話になったと感じています。結局その家庭教師先には、大学2年から卒業までの3年間通いました。
二人兄弟の家庭で、最初の1年間は兄(高校生)一人を担当していたのですが、その後の2年間は弟(中学生)も教えることとなり、時間も1回3時間となり、週2回通いました。兄のほうは大学進学まで、弟のほうは高校受験の面倒を見た後、高校2年生まで教えました。二人とも素直でいい子なのですが、部活命、勉強は気が向いたらするという感じで、正直非常に手が焼けました。
例えば家庭教師がある日にも関わらず友達と遊びに行ったまま帰ってこないなどは二人ともよくありました。最初はしょうがないなあなどと半分あきらめモードだったのですが、このままでは絶対に志望校へ合格できないと考え、二人それぞれに受験学年に進級した際にかなり厳しい説教をし、その後は指導スタイルを厳しめのものに意識的に変えました。すると二人ともやっと受験に向けた危機感を感じるようになり、受験学年の夏休み頃からどうにかこうにか受験に向けたエンジンがかかるようになりました。
結果的には二人とも志望大学・高校に合格することができ一安心でした。今から考えると、指導スタイルを変えたことが自分の人間的な成長にも役立っているのかなと思います。というのも自分自身のことを、それまでは比較的飽きっぽいというか、粘りが強さがないと考えていましたが、子どもに厳しくするということは自分自身を律するという点でも役に立ったのだと考えています。人を厳しく指導するということは、自分自身もしっかりした人間でなくてはダメだという意識が働いていたのだと思います。
家庭教師先の家庭にはたまにご飯をごちそうになったりするなど、現在でも交流が続いています。ご両親には子供達の良いお兄さんという形で見てもらえるのを感じますし、子供達も就職や受験など、色々なことを聞いてます。そうした姿を見ていると、少しは自分も彼らの役に立てたのだと感じることができ、非常に充足感を感じることができます。
もし指導スタイルを変えずに何となく教えていたら、現在の彼らの姿はなかったのだろうなあとしみじみ思います。