私は、大学の時、知り合いの人に頼まれて、中学生の女の子に、数学と、国語、英語を教えていました。
私が、家庭教師のバイトを選んだ理由は、私は、幼い時から、足が少し不自由なため、体を動かすアルバイトができなかったことと、他のアルバイトに比べて、家庭教師のバイトは、時給が良かったことの2つの理由が挙げられます。私が大学生だった当時、コンビニとか、ファーストフード店でのアルバイトの時給が、600円くらいだったのを記憶しています。それに比べて、家庭教師のアルバイトは、1人に、2時間、週に1回、勉強を教えるだけで、1か月に1万円にもなっていました。
私が担当したのは、中学1年生の女の子、仲良し2人組と、受験を控えた中学3年生の女の子でした。中学1年生の仲良し2人組の女の子達は、受験は、まだ2年先ということで、半分、遊びに来ているようなところがありました。友達と2人ということで、お互いに、学校であったことをおしゃべりしたり、恋バナをしたりして、なかなか勉強に集中してくれませんでした。
そんな2人に、なんとか勉強に興味を持ってもらおうと、私は、可愛らしいブックカバーや、鉛筆、ペンなどの文房具を使いつつ、生徒さんの興味を引いて、私なりに、一生懸命、勉強の楽しさを伝えていました。
叱ったり怒ったりするのは、私は、とても苦手だったし、叱ったり怒ったりするのは、この子達にとって、逆効果だという思いもありました。私は、この時、勉強のやる気のない学生に、勉強を教えることの難しさを痛感しました。
結局、成績は、あまり上がらなかったということで、中学2年生になったのを機に、進学塾に行くと言われていました。ですので、家庭教師としては、成果が上がらず、親子さんに対して、申し訳ないという気持ちでした。でも、親御さんからは、「1年間、先生に、勉強を教えてもらって、とても楽しかったと、娘が言っていました」と言っていただけて、最後に、生徒さんから、お礼として、マグカップのプレゼントをもらえたのが、私としては、嬉しかったです。
もう1人、担当していた中学3年の女の子は、とても真面目で、勉強のできる生徒さんでした。なので、家庭教師の私としては、「とても、教え甲斐があるな」と感じていました。私の言ったことをきちんと理解してくれるので、教える側も、楽しくて、「次は、こんな問題集をやってもらってみよう」などと、考えたりしていました。結局、その生徒さんは、希望の高校に合格しました「先生、うかったよ」と、とても、嬉しそうに、言ってくれた笑顔が、今でも、忘れられません。
その女の子からも、最後に、卒業する時、お礼として、写真立てをもらい、親御さんからも、「ありがとうございました」と感謝されて、私も、すごく嬉しかったのを覚えています。私も、その女の子に、合格のお祝いとして、ティーカップのセットをプレゼントしました。今は、その女の子は、結婚して、東京にいるらしく、時々、親御さんから、「あの時は、本当に、お世話になりました。
今でも、先生から頂いたティーカップを大事そうに、使っていますよ」と、話を聞くたびに、私は、その頃のことを懐かしく思い出して、嬉しくなります。「責任はあるけど、人から感謝される家庭教師のアルバイトって、いいな」と、今でも思います。