賄いが豪華すぎてバイトが楽しみで仕方ありませんでした

大学生のころ、自宅のすごく近くにある居酒屋で2年ほどバイトをしていました。

 

こちらの居酒屋はご夫婦がお二人で切り盛りしている、カウンター5席とテーブル席が2つ、こあがり席が2つの20人もお客さんがきたら満席になってしまうような小さな居酒屋でした。私はもともと料理が好きで、さらにお酒を飲むのも大好きで、居酒屋でバイトをすれば料理の仕方や盛り付けなど、何か学べるのではないかと思い、そちらでバイトをする事を決めました。

 

バイトを始める前までは、賄いのことなんて考えてもなかったし、ただ純粋に家から近いし居酒屋バイト楽しそうだしくらいの気持ちでした。そして初めてその居酒屋にバイトで入った日に、賄いが出たのです。一人暮らしで自炊をしていた私にとって、誰かが作ってくれる久しぶりのごはんといった感じで、とても感激しました。

 

場所が札幌と言うことと、女将さんのご実家が釧路の方で漁師さんをしているということで、新鮮なお魚を使ったお刺身やお寿司などを旦那さんが作ってくれると言う、信じられないような豪華な賄いでした。始めて数回は、こんな豪華な賄いは今だけだろうな、なんて思っていたけれど、バイトをしていた2年間特に変わることなくずっと豪華な賄いのままでした。お寿司、お刺身、天ぷらはいつものことで、時々毛ガニが1杯出てくることもありました。

 

 

それから、こちらの居酒屋は、夕方の早い時間のカウンターにはご近所のおじ様たちが一杯飲んでちょこっと摘まんでご自宅に帰るというのが定番でした。そのため夕方のカウンターのお客様がほとんど常連さんの為、バイトを続けているうちに仲良くなり、半年もすると仕事中に「お姉さんもビール飲みなよ」と常連さんのおごりでお酒まで出てくるようになりました。お酒好きな私にとっては、バイトの日はタダで美味しい海の幸が食べられて、しかも大好きなビールまで飲めると、週3日ほどのバイトの日が楽しみで仕方がありませんでした。

時にはビールを飲まされすぎて、酔っぱらってしまい、洗い物中にお皿を割ったりジョッキを割ったりしてしまったこともありました。でも、こちらの居酒屋のご夫婦は本当に本当に優しくて、そんな時でも怒られたことはありません。

 

 

2年間という短い間でしたけど、私を家族のように大切にして下さった居酒屋のご夫婦、常連のご近所さんたちには本当に感謝をしています。

若いころは大手のチェーン店居酒屋で、同じ年頃のお友達達とワイワイアルバイトをするのも楽しいけれど、個人で経営している小さな居酒屋で、アットホームなバイトをするのも悪くないと思います。

個人的な居酒屋だと、オーナーさんの当たりはずれもあるし、最悪なオーナーさんの所で長く続けられなかったなんて話も聞くので、私の場合はとても運が良かったといった感じかもしれません。

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