何してても自由!BBQの場所取りのバイト

学生時代、派遣会社に登録して学校が休みの日にアルバイトをしていました。

 

ある夏の日のこと、派遣会社からBBQの場所取りのバイト募集というメールが来ていました。
詳しいことを派遣会社に聞いてみたところ、とあるイベントでBBQをおこなうのですが、会場が予約ができないところなので、主催者に代わり場所取りをして欲しいとのこと。
朝から場所取りを行い、イベントが開催される夕方までその場所で待機。
他のグループに場所を取られないようにすることだけに注意することが仕事です。

待機時間は約5時間ほどで、その間は暇つぶしに何をしていてもよく、人に迷惑をかけなければ自由に過ごしてよいとのことでした。
夏なので熱さだけがネックでしたが、楽そうだったのでそのバイトをしてみることにしました。

 

バイト当日、気温はぐんぐん上昇し午前中には既に30度を超えていました。
こればかりはしょうがないと諦め、大量の水分と昼食を買い込みいざ場所取りへ。
既にイベントの主催者が来ており、ブルーシートとパラソルを広げて待っていました。
ブルーシートのエリアは何があっても死守してくれ、という厳命を受けました。
イベント主催者は自分たちの仕事に向かい、ここからは一人で夕方まで場所取りです。
まずはipodの電源を入れ、お気に入りのミュージシャンのアルバムを聴きます。
まずは1時間ほど時間を潰します。

アルバムの再生が終わると、今度はスマホでゲームをプレイ。
これも1時間ほどプレイしましたが、飽きてきたのと電池の心配もあるのでほどほどに終了。
今度は、予め図書館で借りてきた東野圭吾の小説を読むことにしました。

 

すると、ずっと一人でいる私のことが気になったのか、隣のグループが声をかけてきました。
「お兄さん何してんの」と聞かれたので「バイトで場所取りしてるんですよ(笑)」と正直に話すと「そんなバイトあんの!」と驚かれました。
隣のグループは、社会人の趣味のサークルのグループだそうでたいそう盛り上がってました。
「お兄さんもバイト大変そうだから一杯飲みなよ!」
なんと、隣のノリの良い方からビールの差し入れの申し出が。
勤務中にビールは御法度ですが、誰も見てないのでありがたく頂くことに。
キンキンに冷えてやがるツ!ありがてえ!

その後は、隣の人たちと談笑しているうちに勤務時間終了。

特段トラブルもなく、仕事らしい仕事もせず、秘密でビールまでもらって勤務を終えました。

 

色々なアルバイトをしましたが、このバイトほど何もしなくてよく、気楽だったバイトは他にありませんでした。

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