僕は大学生の頃、デパートの地下の食品売り場でバイトをしてました。いわゆるデパ地下ですね。僕がバイトをしたのはデパ地下にあるパン屋さんでの仕事だったんです。そこで僕はレジ打ちのアルバイトをしていました。結構、僕は接客の仕事が好きだったんです。
デパ地下って実にいろんなお客様が来店されます。こういう料理に合うパンってどういうのがある?なんて質問を頂いて、きちんと対応していると中にはとても懇意にしてくれるお客様もいたりして、僕はそんなデパ地下のパン屋さんでもバイト、本当にやりがいを感じていました。でも、デパ地下の仕事ってそれだけではありません。他にも楽しい事ってたくさんあるんですよ。僕もデパ地下でバイトをするまで、こんなにも楽しいとは思っても見ませんでした。
パン屋さんのバイトは学校の授業があったので主に夕方から閉店までの時間帯で入っていました。いわゆるラストのシフトですね。ラストの仕事は接客もこなしながら、閉店作業も進めていきます。当然、その日、売れ残ったパンも出てくるのですが、僕がバイトをしていたパン屋さんではそのパンはバイトが持ち帰っても良いのです。最初の頃は本当に嬉しくて毎日のようにパンを持ち帰っていましたね。
そしてデパ地下でのバイトも慣れてくると他のお店にも知り合いが出来るようになります。なので、僕はパンを他のお店の人の所に配って歩きました。するとそのお店からお返しがもらえるのです。もらうお返し、デパ地下で売っているものですので、本当に美味しいものばかり。僕にしてみたら普段、自分のお財布からは買えないくらいお値段が張るものもあって、お返しで今日は何をもらえるだろうと楽しみにしていました。僕の家では僕がバイトから帰ってくると、家族みんながそれをお夜食として食べていましたね。なんだか、バイトをしながらもこんなにも美味しいものが食べられるなんて。本当に最高のバイトでした。
デパ地下のバイトの楽しい所はそれだけではありません。デパ地下のバイトは本当に出会いがたくさんあるんです。僕が仕事の合間に使う休憩所は他のお店で働く従業員、バイトの人たちと共用のスペースでした。そこで他のお店の人たちとすぐに仲良くなってしまうんです。その休憩所にいる人には、当然大学生のバイトもたくさんいますので、僕はデパ地下でバイトをしている間、実にたくさんの友達が出来ました。バイトが終わると他のお店の人たちとよくごはんを食べに行ったり、飲みに行ったりもしました。春になるとデパートの近くにあった公園でお花見なんかもした位です。たまにデパートに全休館日なんかがあるんですが、そういう時には休憩所で知り合ったバイト仲間たちとドライブに行ったりしたこともありましたね。このデパ地下で知り合ったバイト仲間たち、雰囲気的にはどこかサークルのような所がありました。実にみんな仲が良かったんです。ですから、大学を卒業して同時にデパ地下のバイトを卒業してからもここで知り合った仲間とは今でもたまに会っています。
中にはバイト同士で結婚をした人もいて、ぼくもその結婚式にも出席させてもらいました。僕にしてみたらデパ地下でのバイトって、単なるアルバイトではなくて、本当に楽しい思い出です。楽しいバイトを求めている人には是非、デパ地下のバイトをお勧めしたいですね。