居酒屋さんのアルバイトは、思い出に深く残る時間でした

いろいろなアルバイトをかけもちしていた頃、夜の時間帯に、居酒屋さんのアルバイトをしていました。

数ある職種の中から居酒屋のバイトを選んだ理由は、私が料理をすることが大好きだからでした。

また、私が勤めた居酒屋はチェーン店だったのですが、私が働いていたお店は、店長が、メニューの中のおつまみに関しては、自由に決めていい権限を持っていました。そのため、全スタッフの中で、料理が好きな私ともう一人の女性は、二人で、多くの創作料理を生み出すことが許されていて、とても楽しかったのを、覚えています。

 

アルバイトをして良かったな、としみじみ思ったのは、今、述べました、料理の考案を楽しめることの他に、もう一つありました。それは、一緒に働く仲間が、人が良い人間ばかりだったということでした。スタッフの中には、お客様が飲食をされるフロアには一切出ずに、料理だけを担当する板前さんもいました。その他のスタッフは、私とおなじように、フロアにも出ますし、料理やドリンクを作ったり、レジも担当します。その全スタッフが、真面目な人であったのです。居酒屋さんのスタッフというと、私自身が、自分がバイトをする前には、体力がある人たちなのだろうが、やや人間的に、適当というか、軽いのではないか、といった誤った先入観を実は持ってしまっていました。

 

働いてみて実際に感じたのは、軽い人物や、不真面目な人物は、お酒を扱いながら、真摯な接客をするお店では働けない、ということでした。お店は、厨房などのお客さんから見えない部分を含めて、清潔さを徹底してましたし、常に勤務中はきびきびと動いて、酔ったお客様にも、いつでも温かな声掛けと対応をすることが求められるからです。

私が働いていた居酒屋さんの社員さんや、バイトさんは、食の知識と調理の技術の向上に熱心で、中には当時の私と同じように他にも仕事を掛け持ちしながら、学校で学ぶ人もいました。皆が、本当に真面目な人たちだったのです。そして、こういったスタッフの皆が、お酒を飲んで寛ぐお客様の姿を見ることが心から楽しそうでした。

 

 

振り返ってみると、居酒屋さんの店長のお人柄が、大きかったのだろうとわかります。従業員を、正社員さんも、アルバイトも、分け隔てなく、大事にしていて、何よりも、ご自分の家族をたいへんに大切にされている方でした。店長のご家族自慢を、スタッフはいつも笑って聞いていました。

 

お酒が常にすぐそばにある職場だからこそ、スタッフには真面目な人間性が求められる、居酒屋さんのアルバイトは奥が深く、そして、後々まで温かく思い出に残るバイトです。

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