大学生になった当初、大学への通学時間が2時間近くかかり、また、クラブ活動へ積極的に参加していたため、なかなかアルバイトに多くの時間をさくことができませんでした。
そのため、家の近くでできる家庭教師のアルバイトを選びました。あとから考えると時給も高く、選んで良かったと思っています。
勉強に関して、兄弟や身の回りの人にわからないことを教えてあげる程度のことはしていましたが、『お金をもらって人に教える』という経験はなく、しかも、中学生という自分よりだいぶ下に目線をおいて教える、ということもはじめてだったので、新しい挑戦でした。私自身にとって、教える勉強の内容自体はそんなに難しいものではなかったのですが、教える相手がどのくらい理解しているのかをさぐりながら、何をてつだってあげるのがよいのかを考えたりしながらすすめる、ということは難しくもあり、また大変勉強になりました。
私が教えている子はとても恥ずかしがり屋さんでしたので、なかなかコミュニケーションをとるのが難しく、初めは様子をうかがいながらのお勉強タイムでした。学校でどこまですすんでいるのか、何が一番楽しい勉強か…と相手の要望を入れる一方、自分が実践して面白いと思った勉強の仕方を紹介したり、ちょっとしたおしゃべりをしたりしていました。
私は特に英語を得意としていたので、どのようにしたらたのしく勉強することができるかということをいくつも例をあげて一緒に勉強をしたのが印象的です。自分自身ももう一度勉強しなおしたり、もっと勉強してよりよい教え方はないか模索するのはなかなかほかのアルバイトではできないかなと思います。
ご家族にも気に入っていただき、お茶やお菓子をだしていただいたり、また車で家までおくっていただくこともありました。
お金をもらって勉強を教え、私自身も勉強させてもらい、ご家族の方にも手厚くもてなしてもらい、非常に満足したアルバイト生活を送ることができました。
人と密着して何かを一緒に頑張るというのはなかなかない機会で、また、悩みを聞いたり、成績アップとかやる気というものを他人ながら感じ、『もっとこうしたらよくなるかな』と思い、改善していく、というのは本当に勉強になりました。学生時代のアルバイトを経て社会人になりましたが、あの頃の人に密着して何かを進めていく、という経験は現在の仕事や人間関係の構築に多分に生かされていると思っています。